4年生が最後の春季リーグ戦へ向けて想いを綴る「最後の春に向けて」
本日は、ヘッドコーチの有賀達哉(諏訪清陵)です。
ぜひ、最後までご覧ください!
こんにちは。A類社会選修4年生の有賀達哉です。
日頃より弊部へのご支援、ご声援誠にありがとうございます。学生コーチとして東京学芸大学硬式野球部に入部してから、とうとう”最春”を書く時期になりました。もうこんな時期になってしまったのかと思う反面、これまでを振り返ると濃密な時間であったと身に染みます。
自分が硬式野球部でヘッドコーチをするなんて、入学当初は思いもしませんでした。それよりも野球部に入部する気など微塵もありませんでした。高校時代の野球部の最後の大会では、思ったような活躍が全くできず、引退したあとも苦しい日々を過ごしました。そんな苦しみや劣等感からもう解放されたいと、大学では野球部には入らずに他のスポーツをするか、サークルに入ろうと決めていました。
ですが奇跡が起きてしまいました。入学式の日が雨で都会のバスに乗り遅れ、遅刻をしてしまい、学科の最初の集まりに行けませんでした。このままじゃやばいと思った自分は、とりあえず誰かに話しかけようとして声をかけたのが、4年生の村瀨(日本大学第二)でした。そこから輪が広がり、野球をやらないと決めたはずの自分の大学最初の友人達が、硬式野球部志望しかいない状態になりました。そうなれば必然的に硬式野球部に行く流れになります。
そこで学生コーチという役職に心惹かれました。まだ自分にも野球でやれることがあるのではないか、やっぱりこのまま野球を終わらせたくないと思い、学生コーチとしての1歩を踏み出しました。今思えばこの出会いを、当時不運じゃなくて奇跡だと感じていた自分はやはり野球を続けたいという思いがあったのだと思います。
そこからは毎日が刺激的な日々でした。野球について学んでいく中で、プレーしていた頃とは違う楽しさを感じました。気になったことや学んだこと、感心したことなど頭で反復し、メモを取り、本を読んで、ネットで探して、実践していくことを繰り返す毎日でした。
1番大変だったのは【伝える】ということです。選手も沢山のことを考えているので、一方的に自分の考えを伝えても意味がないと思います。しかし、伝えないと気づくことができないことも多く存在します。だからこそ自分は、まず話を聞き、どのようなことを考えているのか、何を意識しているのかを理解し、課題や長所を把握しておくことを大切にしました。そうすることで選手が何か意識を変えた時や、微妙なプレーの違いが分かるようになり、何が問題なのか、どうしたら上手くなるのかをより深く考えることができました。
ですが、正直に言えばこの【伝える】ことはまだまだ自分の課題点です。4年生ならわかると思いますが、入部したての頃は本当に選手に圧倒されていて、何も言うことができないひよっこでした。学年が上がるにつれて選手によって伝えるタイミングを変えたり、伝え方を変えたりするなど、様々な工夫をしていくようになって段々と自分の考えを伝えることができてきました。未だに優しすぎるなどの指摘は受けますので、現在は、時には厳しさを出すことを意識しています。もう容赦はしませんので、現役の選手は覚悟をしておいて下さい。
学生コーチは、もうプレーで活躍はできません。ですが、力になりたい、活躍して欲しいと思える選手に出会えたことが奇跡であり、ここまで一緒になって1歩ずつ進んでこられたことに自信を持っています。
特に同期には様々な場面で助けてもらっているし、同期で話す時間や自主練をする時間には、とても元気をもらっています。春で引退する選手もいるので、4年生として同期と野球ができる楽しさも感じながら春季リーグ戦に挑みたいと思います。
昨年度の秋季リーグ戦、入替戦での敗北後、ウエイトや基礎練習をより一層重視し、その成果は着実に出ています。また上級生だけでなく下級生からの意見も多くなり、全員でどうすれば勝てるのか、また上手くなれるのかを考えられるチームになってきています。2部優勝、1部昇格の難しさを何よりも実感している中で、そこに挑戦できることの喜びを感じ、ここまでの軌跡を信じ全員で1部で戦うための1歩を踏み出したいと思います。皆様、ご支援・ご声援の程よろしくお願い致します。
次回の「最後の春に向けて」はついに最終回。主将の金子大悟(静岡市立)です!そちらもぜひご覧ください!