4年生が東京学芸大学硬式野球部での時間や仲間、最後の一年にかける思いを語る「最後の春に向けて」。今回は、栗原幸太郎(4年/水戸第一)です。それではお読みください!
こんにちは。A類数学科4年、栗原幸太郎です。きっとみんなも先輩たち同様に書いていると思いますが、もう最後の春だなんて実感が全くないです。だからもしかしたら多少他人行儀な文章になってしまったかもしれません。本文の内容は一言で言えば、高校時代を思い出して泥臭く頑張ります、といったところでしょうか。この決意による変化はすでに表れていて、先日は人生初めてホームに頭から飛び込み、文字通り泥にまみれました。(足が遅すぎて余裕のアウトだったことは内緒です。)少し高校時代の話が長くなってしますが、改めて文字にするとより考えが明確になるので書かせていただきました。それでは少しのお時間、駄文にお付き合いください。
5年前、冬。水戸一高硬式野球部竹内旧監督は部員である自分たちにとある質問を投げかけた。
「お前たちの野球『人生』。何と読む。」
県内随一の進学校が、推薦入試もなく、中学硬式経験者も選抜経験者もなく、中学でレギュラーだった部員も少ないチームが、強豪私立に勝つためにできることは「考えること」だった。
夏の大会、2個上が対明秀日立0-3、1個上が対霞ヶ浦0-3。
「0-3の壁」を超えるために、何度となく行われてきた竹内監督さんの野球学講義。
野球を学問や哲学として捉え、科目「野球学」を勉強し、哲学「野球観baseballogy」について考える時間である。
野球はとても難しいスポーツである。馬鹿では野球はできない。考えろ。頭を使え。
キャッチャーは特に言われてきた。身体能力が低い自分はなおさらだ。
野球学講義の内容は多岐にわたった。
野球の基本的な知識・戦術、試合での考え方、学生野球の歴史(水戸一高、旧水戸中学は学生野球の父、飛田穂州の母校である。)、野球とは自分たちにとってなにか、組織作りや理想のチームの在り方、練習の取り組み方・捉え方、竹内監督さんがやってきた常総木内野球と筑波大野球のこと、…。本当にたくさんのことを学んだ。
冒頭の質問は、とある日の野球学講義中のものである。
「人とともに生きる」でもなんでも、どんな読み方をしてもいい。自分の野球「人生」はどんな読み方をするのか考えてみろと話された。
「人を生かす」これが自分の答えだ。
捕手として、投手を生かすのだ。
きっと将来は監督になって選手を生かすのだろう。(教採受かるといいな)
この答えにたどり着いたとき、初めて自分は何をするべきなのかわかった気がした。
現在、中野監督さんから選手兼任コーチという責任ある立場を頂いた。ほとんど前例のないものだし、中野監督さんが本当のところ自分になにを期待しているのかはわからない。ただ自分には何ができるのかを考えていたら、これまで高校時代の経験がすっぽり抜けてしまっていたことに今更ながら気付いた。自分の根っこは「人を生かす」だし、考え抜いた水戸一高野球部での経験なのだと、改めて気付いた。コロナ渦で十分に活動できてないので、どれだけのことができるのかわからないが、竹内監督さんが水戸一高で常総木内野球をもとにやっていたのなら、自分は東京学芸大学硬式野球部で水戸一竹内野球をもとに、できることを精一杯やってみようと思う。
最後に、これまで野球をさせてくれた両親と応援してきてくれたたくさんの方々に感謝の気持ちを述べて、この文章を閉じさせていただきます。
少しでもチームがよくなって、1部昇格に貢献できるよう頑張ります。