新4年生一人ひとりが最後の春季リーグ戦に懸ける思いを語る「最後の春に向けて」。
今回は、畑澤創太(秋田)です。どうぞご覧ください。
こんにちは。A類社会選修、新4年の畑澤創太です。
最後の春に向けてということで大学3年間を振り返ると、とてもあっという間だったと感じます。入学と同時にコロナウイルス流行の影響で大学の講義が遠隔になり、入学式なども中止になったため、大学生になったという実感があまり湧かなかったことを覚えています。
東京でのコロナウイルス蔓延の状況を考慮して、私は実家の秋田で春学期の講義を受けていたため、初めて1年生が参加する練習にも行くことができませんでした。私が練習に参加していない間も他の同級生は親睦を深めており、勝手に1人置いて行かれているように感じていました。遅れてその輪に参加した私は受け入れてもらえるのか、東京に来て初めて練習に参加する日はとても不安を感じたままグラウンドへと向かいました。メッセージや電話ではやり取りをしたことがある同級生でしたが、いざ対面すると言葉が出ず困っていた時、みんなから声をかけてくれ緊張がほぐれたのは今でも鮮明に覚えています。
すでに部を去ってしまった仲間もいて人数が少ない学年ではありますが、その仲間も含め全員が優しく、仲間思いで、時にバカをするとても居心地の良い学年です。私はこの学年でこの仲間たちと野球ができてよかったと心の底から感じています。
高校ではずっと投手としてプレーしており、大学でも投手一本でプレーしようと考えていましたが、高校時代にした怪我の影響や、1年浪人していたこともあり常に怪我と向き合いながら送った3年間でした。思ったようにプレーできず、試合にもあまり出ることができなかったため、フラストレーションが溜まることもありました。
しかし、プレーができなくてもチームの勝利のためにできることはないかと考え、その中で私はデータの面からチームに貢献しようと考えました。対戦する相手打者や投手の特徴を分析し、どうすればその投手を攻略できるか、その打者を打ち取ることができるかということを考え、選手に伝える。そのデータにより思った通りの結果になった時は、自分たちの活動がチームの役に立っていると感じることができる瞬間でした。たまには無茶なお願いもするデータ班のチーフでしたが、そのお願いにもついてきてくれる頼もしい後輩ばかりでした。2年生からは外野手としてもプレーし、試合に出る喜びを感じるとともに、大学生になって野球というスポーツの楽しさを再認識することができました。
中学校から高校、高校から大学へと進むなかで、野球を続ける人はどんどん少なくなっていきます。私の高校の同期で大学でも野球を続けているのはほんのわずかです。そんな中でこの東京学芸大学で勉学に励みながら野球に打ち込むという経験ができたことは、とても貴重であり、今後社会に出ていくにあたって大きな糧になると感じます。
また、このように満足した環境で野球ができているのはひとえに中野監督、徳地先生をはじめとする指導者、OBの方々、両親、そして今まで関わってきた様々な人の支えのおかげです。
その中でも私は特に両親にこの場を借りて感謝を伝えたいと思います。
私は現役で東京学芸大学を受験し不合格で浪人の道を選びました。浪人することを選んだのは、教師の道を志していたこともありましたが、加えて東京学芸大学硬式野球部で野球がしたいという気持ちがとても強かったからです。
浪人するにあたり、両親には大きな迷惑をかけてきました。両親の後押しがなければ東京学芸大学に入学することも、硬式野球部に入ることもできませんでした。私の父親は私が高校生の時から中国に単身赴任しており、それからは母親と妹の3人で生活していました。母親は高校まで野球しかしてこなかった野球バカが東京で一人暮らしができるか本当に不安だったと思います。母親はいつも私の体調を気にかけてくれて、高校の頃は栄養の勉強をして弁当を作ってくれたり、大学に入ってからは「ちゃんとご飯食べてるか?」「バイトだけじゃなくて勉強もしなよ」と時にうるさいと感じるくらい心配してくれていました。おかげさまで順調にお腹のお肉も増え、顔も丸くなりましたが無事に大学4年生を迎えることができそうです。父親は単身赴任していることもあり、一年に一回ほどしか会えていませんが、いい意味で自由に放任主義でやらせてもらっています。父親とお酒を飲みながら2人で電話するのは、まるで男友達くらい楽しく、なんでも話せる理想の父親です。
4月からは妹が県外に進学することもあり、家族が4人とも離れ離れになってしまいますが、お互いの近況報告をし合いながら、それぞれの場所で頑張っていけたらいいなと思っています。
少し私情を挟んで長くなってしまいましたが、ここまで3年間活動を続けてこられたのは尊敬できる先輩方、可愛い後輩たち、そして心を許せる同期に恵まれたからだと思っています。私は秋まで続けますが、春で引退することを決めている同期もいます。今のメンバーで戦えるリーグ戦がこの春で最後になるのは悲しいですが、どのような立場からであってもチームの一部リーグ定着に向けて全力で頑張ります!
次回は、早川響(前橋)です。
是非そちらもご覧下さい!