新4年生がそれぞれ、野球や仲間への思いを語る「最後の春に向けて」。今回は、梅原猛(新4年/都立新宿)です。それではお読みください!
冒頭から個人的な話で申し訳ありません。私は今回のリーグ戦を初めて「学生コーチ」として迎えます。おそらく現役選手として今大会を迎えていれば「自分の持てる力を発揮できるように」とか「野球人生の集大成として」といったような意気込みをこの場で表明していたと思いますが、立場が学生コーチとなるとやはり少し見方が変わってくるようです。三年途中からコーチに転身しヘッドコーチの高澤の補佐役という立ち位置で数か月間を過ごしてきましたが、正直言うと未だに自分の明確な立ち位置というものを見いだせていません。自分なりにやるべきことややりたいことを考えつつ活動を行ってきたつもりではありますが、果たしてその活動がどれほどチームに貢献できているのかは自信がないのが正直な感想です。16年目に突入する野球人生を振り返っても特に大きな実績はなく、気が付いたら野球人生の終わりに来てしまったわけです。
自分の野球人生には様々な思い出があります。現時点では高校野球の時が最も充実していて、反対に大学野球は最も苦しい印象があります。小学校から高校まで、決して強くはないチームでスタメンを張っていた半面、学芸大では思うように活躍のチャンスを掴むことができませんでした。そんな中様々な出来事(個人的なことなので詳細は省きます)が幾重にも重なり最終的には肩の故障で現役を引退。煮え切らないままに野球人生はあっという間に過ぎていきました。
ではなぜ退部せずにコーチに転身したのか。それは単純に野球が好きであるからだと思います。「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、どうやら私は「下手の横好き」の部類だったようです。それでも何かしらの形で野球に携わりたいという一心で活動しています。また、小学校1年生で野球を始めた時に両親と「やるからには最後までやり通す」という約束を交わしたのも大きな要因です。そして自分の活躍を楽しみにしてくれた祖父。更には過去に巡り合った個性豊かなチームメイトと今のチームメイト。その他様々な要因が重なり現在の自分がいると思っています。
今まさに桜が散り新緑がちらほらと見られるようになりました。花が散るのはなんとも寂しいことですが、それが新緑という次なるものの前触れでもあるのです。私は選手としては散りましたが、それはコーチとして何か良いことが起こることの前触れと信じています。
先ほど「大学野球が現状では一番つらい思い出」と書きましたが、私はこの春の大会で大学野球を最高の思い出にしたいと思います。直接プレーして戦うことはもう叶いませんが、私が信頼する仲間と最高の結果を掴み取ります。前述の通り、特に劇的なこともなかった野球人生ですが、終わり良ければ総て良し。「2部優勝、1部昇格」を掴み取って自分の野球人生を締めくくりたいと思います。
結びにあたりまして、必然でも偶然でもこの記事を最後まで読んでくれた方々、本当にありがとうございます。この学芸大硬式野球部のページはチームメイト、そのご家族、OB・OGの方々、更には大学関係者の皆様が読んでくださっていると思います。その皆様のご支援・ご声援を受けながら私たち部員は日々野球をしています。会場で直接ご声援を賜ることが中々難しいご時世ではございますが、ネット上での反応を含め様々な形での支援が私たちの大きな励みになります。お礼ついでで大変恐縮ですが、この記事を読んだ方、どうか学芸大学硬式野球部の2部優勝1部復帰をお祈りください。